私たち日承工業は、知恵と身体と心を使い、自然環境と地域の繁栄に寄与し常に、技術の先駆者としてグローバルな物造りを行う製造技術集団です。
製造業で一番怖いのは馴れ合いでモノを作るということなんです。
惰性で仕事をするのではなく慣れて欲しい、つまり自分の習慣の一部として、常にベストな状態を目指して欲しいということです。
最近気になっていることは、頭だけで考えて行動に移さない、そういう風潮が蔓延しているのではないかと感じています。
昔は、考えたらまず実行し、その結果で方向性を見出してきたのですが、いつの頃からか、やる前からダメだと結論を出してしまう傾向が強くなりました。
長く仕事をしていると、「どうせダメだろう」と知らず知らずのうちにそのような考えが浮かんできてしまうものです。
失敗はしてもいいんです。そこから新しい発見があれば。
この社是は前社長の言葉ですが、まずは行動があって、その結果に対する反省があります。そこには必ず次につながるヒントがあります。「行動と反省」、簡単な言葉ですが、仕事に対する心構えの核心を表現したよい言葉だと思います。
意識改革改善の10カ条
言葉の真意をすぐに理解しろとは言いません。仕事の経験をいくつも積み重ね、振り返る余裕ができた時、その時に初めて言葉の真意がわかると思います。
若い社員はがむしゃらに働きます。それはそれでいいんです。しかし、時には冷静に「見る」ということも大切です。例えば、先輩や上司の仕事を見る。そこから何かをつかんで自分のものにしていく。目の前の仕事をただ一生懸命に頑張るだけじゃなく、一歩下がって周りを見渡してみるということも大事です。
それから、社外の仕事を見るということもぜひ心掛けて欲しいです。仕事を覚え始めて、そこそここなせるようになれば、さっきの社訓にもあるように「馴れて」しまいます。だから、私はよく「社外の仕事を見てきなさい」と言います。社内では「できる」社員かもしれないが、社外にはその程度の仕事をこなす人間はいくらでもいるってことです。
まさに10カ条の「今日が一番悪いと思え」、つまり井の中の蛙になるなということです。
経営理念にもありますが、「グローバルな物造り」、一言で表せば世界標準のものを創っていきたいです。
下請け的な体制ではなく、自社製品を開発して提案し、それが世界中で「現代社会にとって、この製品はなくてはならないもの」というポジションを確立できるような製品を生み出してみたいと考えています。
当社は、昭和26年に金型を作る町工場としてスタートし、現在は企業と呼ばれるまでに成長しました。しかし、町工場にも町工場なりの良さっていうものがあります。
企業は基本的に分業体制です。別の言い方をすれば、自分の部署以外のことはわかりません。
しかし、町工場は従業員一人一人が仕事をすべて理解・把握しているということ、これは大事なことです。仕事全体の流れを把握した上で、「今自分が行っている作業はどの工程で、何のためにやっているのか」を考えるか、考えないか、その差は大きいです。
今後も様々な技術的進歩によって、企業としての規模も大きくなっていくと思いますが、町工場の良さを忘れずに伸長していきたいです。
大学卒業後、金型製造会社を経て日承工業株式会社に入社。
入社後、自動車部品の樹脂化の流れに対応して金属プレス部品の製造から樹脂部品の製造へと徐々にシフトし現在の日承工業株式会社の主要部門である射出成形部門、インサート成形、組立部門を立ち上げる。
代表取締役就任後は主要販売先メーカーとの共同開発や日承工業初めてとなる海外拠点展開や佐賀県に国内事業所を立上げるなど積極的な経営を進める。
趣味はゴルフ。